Yシャツのボタン
旦那のYシャツの袖のボタンが1つ取れていて
「付けて」と私が頼まれたまま数日がたっていました。
置かれたままのボタンを見て思い出した旦那が
側にいた母に言いました。
旦那 「お母さん、Yシャツのボタン付けてくれる?
付けてって頼んでるのにずっと放っておかれてるだよ」
母 「え? Yシャツなんてどこにあるの?」
旦那 「知らないよ。どこかに隠されちゃったんだよ。」
《隠しちゃいませんよ・・》
母 「ないものは付けられないねぇ。
それに私の亭主じゃないんだから知らないね。」
旦那 「なんだよー。息子じゃないかぁ。」
母 「知らないねぇ。Yシャツが黙って置いてあれば
付けるけど、ないのを付けろったって
無理だね。」
母 「それに、病院で傘縫わされた時には驚いた。
入院してる所に傘持って来て縫ってくれなんて
言うんだから、あれは前代未聞だったね。
聞いたことないよ、入院中に傘縫わされるなんて。」
母が昨年末入院していた時の事、折りたたみ傘の骨に縫いつけて
ある糸が切れたとかで旦那が病院に来た時、母に、
「七つ道具持ってる?お母さん、傘の糸が切れちゃったんだけど、
つけてくれる?」と言ったんです。
(よく出来ています。私に頼まないんですから)
それで母は簡単に「七つ道具なら持ってるよ」と引き受けたんです。
でもその時、七つ道具は見つかりませんでした。
頼まれたら断れない。
それに、七つ道具はいつも持ってるはずなのに、
見つからないのも気に入らない。
私に家から持って来るように言って、病院で傘直しをしました。
その時、傘を縫いながら母は言いました。
「なんで病院で傘直ししなくちゃならないんだろ。
浪人じゃあるまいし。
こんなの前代未聞だね。」