こいつぁ春から〜初芝居生中継
4月の公演を最後に、全面的に建て替えられることになった
歌舞伎座からの新春歌舞伎生中継を2日に宿にて
鑑賞しました。
母は、編み物の手も止めて夢中でした。
最初の演目は、菅原伝授手習鑑『車引』
我が家はみんな吉右衛門ファン。
母は団十郎が好きなのですが、吉右衛門も好きです。
幸四郎もよかった。
とにかくカッコいいです。
母 「蛇になって出てくるよ。」
どうも黙って見ていると言うのが出来ないようです。
見得を切っていると
母 「裾を上げてぱっと広げるよ。」
と見てる間に黒子が裾を持ち上げ広げました。
旦那 「お母さん、すごいね。何でもご存じだね。」
母 「ハハハハハ・・・・」
そして、与話情浮名横櫛
有名な『源氏店』です。
小悪党の蝙蝠安に、お富が金(一分)をやってその場を収めようとする
場面。
突然母が言いました。
母 「一分じゃぁ 帰られめぇ。」
そして舞台ではご存じの名ぜりふが続きます。
与三郎:え、御新造さんぇ、おかみさんぇ、お富さんぇ、
いやさ、お富、久しぶりだなぁ。
お 富:そういうお前は。
与三郎:与三郎だ。
お 富:えぇっ。
与三郎:おぬしぁ、おれを見忘れたか。
与三郎:しがねぇ恋の情けが仇 命の綱の切れたのを
どう取り留めてか 木更津から・・・・・・
死んだと思ったお富たぁ お釈迦さまでも気がつくめぇ。
・・・・・
安やい これじゃぁ一分じゃぁ 帰られめぇじゃねぇか
《やっと出てきました。》
蝙蝠安:「そうだ。これじゃあ、一分じゃけえられめぇ。」
与三郎:「一分じゃぁ 帰られめぇ。」
母 「ほらねぇ!」
《言いたい気持ちはわかります。
でも・・・ちょっとせりふが早すぎたかな》
今年、旦那が選んだお正月「めで鯛」のぽち袋。
「鯛焼き」みたいな鯛ですが、目出度そうでいいですね。
母の積み立ては、この分から新たに始まります。