昭和のバレッタ
昭和と一口に言っても色々です。
私も昭和生まれ。
母は大正生まれですが、大正も終わりの頃。
昭和と共に生きて来たのです。
ちょうど娘時代の良い時が戦争に重なりました。
「一番いい時が戦争だからね、終戦の時が二十歳なんだから。」
母はよくそんな事を言いました。
それでも、女学校時代や、習い事に通っていた時代。
友達と甘味処に寄るのが楽しみだったとか、
歌舞伎役者とお揃いの浴衣で浅草を、のして歩いていたとか、
聞けば、結構楽しかったであろう娘時代です。
この髪留めは、随分前に祖母の家で私が見つけたものです。
祖母が亡くなった後の片づけの際に見つけたのじゃ
なかったかな・・・
あまり綺麗だったので貰って来ました。
私は祖母のものだとばかり思っていたのですが、
母に見せたら、
「これは私のだよ。」
母の若い頃の髪留めでした。
「べっ甲」です。
上の写真は正面から撮ったのですが、
真正面からだとまったく光りませんが、
角度を変えると七変化。
柄の所に細工が施されていて、角度によって
色々な色に変化してキラキラと光ります。
角度を変えながら撮ったのですが、
写真うまく撮れませんでした。
箱には、〔亀〕 の画に、「銀座すみ屋」と書いてありました。
母が、娘時代、浅草をのして歩いた時に
付けていたものなのか・・・
想像出来るような気がします。
