うちの母は、ケセラセラ♪

募金?


人の痛さ、辛さは、その人でないとわからない。

母はどれだけ辛かったか。



根っから明るく、元気な母は、それを伺わせるような
事は難しく、後になって考えると、あの時はよほど
辛かったに違いないと思う事があります。



私 「買い物に行かない?」


母 「今日はやめとく。」



思えば、1〜2年前から、時々そんな返事が返って
来る事が多々ありました。




昨年、カイ達が来て、私が取り決めた旅行。
無理して元気にしていましたが、結構辛そうな場面が
あったのです。



その頃、特に痩せた母を見て、
出かける前に旦那が聞いたそうです。



「お母さん、旅行、大丈夫?」


母は、「大丈夫。みんなが行くから。」と
言ったそうです。



私は、いったい何を考えてるんだろうか・・・。




母は、日頃から、「私は、疲れるって事がないからね。」と
言っていました。


体は丈夫ではありませんでしたが、元気な母でした。



旅行前も、もちろん心配して、
母の体を一番に考えて、無理のないような旅行にと
万全を期していたはずでした。


が、ずれていたんです。
旅行自体が無理させていたんです。




母の体は、あちこち痛かったに違いない。
それは間違いのない事なんです。



痩せて、飛び出した尾てい骨が特に痛かった。


そんな状態だったにもかかわらず、
母は、病院で受けを狙いました。



「びびび・・・びていこつが・・いていこつぅ」




足も痛かった。



「せんせい、足が、ボキンボキンって言うんですけど・・
 募金しなくちゃだめですかねぇ?」



先生だけではありません。
何人もの看護師さんにも同じ事を言いました。



家に帰って来てからも、
訪問マッサージの方が、母の足をマッサージして
くれている時でした。


ずっと黙ってマッサージを受けていた母が、突然
目をつぶったまま言ったんです。



母 「足が、ボキンボキンって言うんですけど・・
   募金したほうがいいですか?」



マッサージ師 「??? はっ? 
        今、何かおっしゃいましたか?」



聞こうとして、顔を、母のほうに寄せました。



母、もう一度同じ事を言いました。



若いマッサージの方は、思いも寄らない事を言われ、
どぎまぎ、顔が真っ赤です。



マッサージ師 「いやぁ・・・突然だったんで・・ 
        びっくりしちゃいましたよ。」



返事に困って、笑っていました。




あれほど辛い状況にありながらも、こんな事を
言ってのける母に私は、流行語大賞をあげたい。



いや、もっともっとすごいもの。
国民栄誉賞をあげたいです。




写真下


家庭用血圧計を入れる巾着。
母が、蹴出し(けだし)を縫った残り生地の
メリンスで縫ったものです。








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