うちの母は、ケセラセラ♪

葉ショウガ


母は、手抜きが出来ない性分です。



そして、母の趣味の一つであるお料理も
母は手を抜きません。



みんなが好きだと言うと、手抜きなしに何でも作る。
食べさせる事が大好きなんです。



サンディエゴのカイのパパがよく母の真似をしました。
ちょっとしゃがれた声にして、
「たべなさーい、たべなさーい」



家に来る時は誰しも覚悟して来なければだめなんです。
とにかく食べさせられます。
もうだめ〜って言っても、勧められます。
勧めるなんて簡単なものではありません。
半ば強制的に食べさせられます。




我が家みんなが大好きなショウガ。
季節になると、母は、葉ショウガ(谷中ショウガ)を
たくさん買います。



それを糠味噌に入れたり、醤油漬けにしたり、
昨年は特にたくさん作りました。



葉ショウガの下処理は、細かいので大変です。
母は、ひとつひとつ綺麗にして行きます。
 (下の写真は、最近私が買ったものです)





昨年のある時、旦那が言いました。
「八百屋がね。いつもの数倍の量の葉ショウガ
 持って来たんだよ。
 こんなにショウガどうするんだろうって思うくらい。
 お母さんも、ちょっとびっくりしてたけど、
 それでお母さん、ずっとそれやってて台所に何時間も
 立ちっぱなしなんだよ。」





馬鹿娘の私は、それに気が付きませんでした。



その頃には、母は大分痩せてしまっていて、
以前の体力とは違うと言う事をわかるべきだったんです。


旦那に言われてから、母を手伝い、私が変わって
やったのですが、だいぶ遅かった。



母が作った醤油漬けになったショウガが、
冷蔵庫に残っています。



いま私は、それを食べる事が出来ません。
冷凍された母の手料理も食べる事が出来ないのです。
勿体なくて。


母が作った佃煮類やジャムは、すべて煮直して真空にして
冷凍しました。




母が残していった作品も、どうしたらよいのか
わかりません。



たくさんあるレースのカーテン。
まだ使ってないものもあります。


使えないのです。



レース糸も、毛糸も、たくさん残っています。
それに端切れ、山ほどあります。


着物の端切れや、洋服生地の端切れなど、



何もかも、どうしてよいのかわかりません。



最後の作品になってしまった、旦那用の歌舞伎柄のポーチ
具合が悪いのに、ベッドの端に座っては、せっせと編んでいました。

 

最後の頃、大分辛かったのだと思います。
母 「おまえ、続きやるかい?」 と言いました。
私は、「いいよ。私がやるよ。」と言ったのですが、
母は、その後も、一気に仕上げてしまいました。



母 「おまえじゃあ、あてにならないからね。
   ほら、出来たよ。」


と見せてくれました。




旦那が思い出しながら悲しい目をして言いました。
・・最後、ものすごいスピードで仕上げちゃったんだよね・・。



母はここ数年よく言っていました。
「なんとか早く仕上げなくっちゃ。
 私がいなくなったら、やりかけのものは、みんな
 どうなっちゃうんだろう。」



その時、家に来ていた近所の方に、母が言いました。
「続きをやるかい?」



誰しも言います。
「冗談じゃない、できっこない。」



母 「ハハハハハ・・・」と母は笑いました。



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