うちの母は、ケセラセラ♪

歌舞伎幕柄の巾着

歌舞伎幕柄の巾着



やっとアップする事ができました。



定式幕(歌舞伎幕)、黒、柿色、萌黄色
(黒、赤茶、緑)の巾着です。




写真だけは、山ほど撮っていたのですが、
どれを載せようか迷ってる時間が長い。




予告ばかりで、なかなかアップできずに


母の声が聞こえて来そうです。


母 「なんだい、まだやってないの?
   勿体ぶってばっかりで」



すみません。
勿体ぶってる訳じゃないんです。





今回、巾着の口の部分を
母は着物生地にする事に決めました。




端切れが山ほどあって、その中から
母が選んだのは、私の着物の端切れ。




「これがいいと思うんだけど、どう思う?」 と母。





この着物、かなり古いものです。
私がまだ10代後半の頃、
母が選んで買ってくれました。
もちろん仕立ててくれたのは、母です。


昔はよく着ました。





巾着の色と、とてもよく合います。
旦那もこれがいいね。とお気に入り。





次は紐選び。


昨年、スピンドルを、母と一緒に買いに行った
のが、夢のようです。
まだこの間の事なのに、遙か遠い事のよう。





その時お店には、スピンドルの種類が、
あまりありませんでしたが、
ちょうどあったのが、この和風の江戸打紐。




今思うと、なにか不思議な気がします。
用意されていたように、お誂え向きな3色。
歌舞伎柄に似た色の打紐でした。





写真では、本当の色が出ていません。






家に帰ってから、巾着に合わせて、
旦那に選ばせたのですが、
赤とグリーンで悩み、
なかなか決まりませんでした。


どの紐も合います。






なぜか母は、早く仕上げなくてはと焦って
いました。



10月の入院から、いったん退院して
家に帰った時も、調子が戻らなかった、
そんな、かなりしんどそうだった中でも、
ベッドの端に座っては、作っていた姿、
思い出すと、辛くなります。




最後、かなり辛かったのか、
「おまえ、続きやるかい?」と聞いたのですが、
私では、いつになるか当てにならないと、
自分の娘をよく知っている母は、
ものすごいスピードで仕上げて行きました。




その頃の母の具合を見ていて、
出来上がるまでは、まだかなり日にちが
かかるだろうと旦那は思ったそうです。



ところが、最後、1/3位は、一晩で仕上げて
しまった。




旦那が言いました。

「おとぎ話の中で小人が夜中に出てきて
 靴を作り上げちゃったように、
 お母さん、魔法を使ったかのようだったね。
 多分寝ないで仕上げたんだよね。」





旦那もこれは使えないので私に預けると
言いました。
私達にとっては、貴重な巾着です。




母の最後の作品になりました。












そして、この巾着をアップするのは、
私にとって、パワーが必要でした。







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