悲しい記念日
今年、私達夫婦は一つの節目を迎えます。
でも私達にとって結婚記念日は別な悲しい日と
変わっていました。
ちょうど一昨年の結婚記念日に
母が意識をなくしたのです。
その日を境に私達の生活は変わっていきました。
その日から約3ヶ月間、母にとって辛い日々が
続き、私はただ無我夢中の毎日でした。
昨年、お通夜の前日にあった大震災。
でも私にはその記憶がほとんどありません。
もちろん、地震があったのは覚えていますが、
あまり実感がないのです・・・
人一倍怖がりな私が恐怖を感じなかった。
その直後の悲惨な街の状況も私は知りません。
電車は止まり、スーパーに物はなく、
ガソリンスタンドには行列ができ、
街は暗く灰色に沈みかえった。
テレビでは、毎日同じコマーシャルしか流れず、
かつて経験のない状況でしたが、
私の灰色は違った所にありました。
想像出来ないことが次々と我が家に起こり、
何ひとつとして考える力がなかった。
毎年結婚記念日旅行に行っていましたが、
2人にとって記念日と言う言葉は出なくなりました。
そんな時、結婚式をしたホテルからのDM。
シャンパン付きの半額宿泊券でした。
旦那 「行ってみる?」
私 「そうだねぇ・・・」
都内のホテルで食事して1泊して来るだけですが、
気持ちを変えてみたらどうだろうかと考え、
行ってみようと言う事になりました。
その日は、母の月命日の翌日。
従姉と待ち合わせてお墓参りをして、
お昼に3人でお清め。
ビールとお寿司でお腹がいっぱい。
しかもランチと言っても3時になってしまいました。
夜はホテルのレストランに6時半に予約してあると
言うのに・・・
旦那 「これじゃあ、夜食べられないねぇ・・・」
私 「食べられない。」
旦那 「時間をずらしてもらおう」
夕食を8時半にして貰いました。
母が好きだった、プロフィットロールの
ミニサイズも頼んでおいて、
毎年、この時期になると、母を誘って、
イルミネーションを見に街を車で廻ったのです。
母とも行った場所ばかりを、旦那と歩いてみました。
ツリーの下に私がいます。
銀座ミキモトのツリー
カラヤン広場
母が編んでくれたレースのショールをして
まだお腹はすいていませんでしたが、ディナーです。