うまくやったのはどっち?/母の紅筆
昔、まだ母が若い頃の事です。
上野の駅に向かって歩いている時、
雨が降って来てしまいました。
傘を持ってなかった母は、困って、どこかの軒下で
ちょっと雨宿りをしていたそうです。
そこへ、とても綺麗な女性が近寄って来て、
「よかったら入りませんか?」と傘に入れてくれたそうです。
母は、せっかくなので、駅まで傘に入れてもらう事に
しました。
その女性と母と2人1つの傘で歩いていると、
すれ違った男性が、その女性に向かって
「うまくやってるな・・」
と言ったそうです。
するとその女性は、突然豹変したように、
「うるせい!だまってろ。」と野太い声で言ったそうです。
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母 「いやぁ・・・あの時はびっくりしたねぇ (笑)
綺麗な女の人だと思ってたのに違ったんだよね。」
これは母の古い紅筆。
私が生まれてからは、めったにお化粧する事の
なかった母ですが、鏡台の引き出しの中には、
こんな骨董品も入っています。