母が結んだ昆布
母 「ダイコンと昆布だけ煮て食べたいんだ」
母はよく、そんな事を言っては、
でも結局色々入れてしまって、
おでんのようになってしまった・・・
昨日は、そんな事を思い出し、ダイコンと昆布だけ
煮てみようと思いつきました。
確か、頂いた柔らかい昆布が冷凍庫の中に
入っているのをこの間見たっけ・・・
我が家には、店で使っていた大きな冷凍庫があって、
探すのが大変なくらい、ぎっしり食料が詰まっています。
その中から、
《あっこれだ・・・》
出して来て、よく見ると、頂いた昆布ではないみたい・・・
きちんと真空パックしてあって、中がよく見えませんでした。
もしかして・・・
開けてみると、やっぱり・・・母が切って結んで
真空パック、冷凍した昆布でした。
母がいなくなった後で、おでんを作ろうとした時、
昆布がうまく結べず、結んだ昆布も鍋のなかで
ほどけてしまったり、
お母さんは、どうやっていたんだろうかと
思っていたのです。
パックを開けて、母が結んだ昆布を
しばし眺めました。
「おかあさん、食べるよ。
ありがとう。頂きます。」
そう言って、鍋に入れました。
柔らかくて、暖かい母の味がしました。